【1月13日 AFP】米環境保護局(EPA)は12日、欧米自動車連合フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が、自社製トラック約10万4000台に排ガス規制を擦り抜けるためのソフトウエアを搭載していた疑いがあると発表した。同社はこの疑惑について直ちに否定した。

 EPAによると、同社は米国で販売した2014~16年型のジープ・グランドチェロキー(Jeep Grand Cherokee)とダッジ・ラム1500(Dodge Ram 1500)のトラック2モデルに、許容量以上の窒素酸化物の排出を可能にするソフトウエアを搭載していた事実を公表していなかった。

 この発表の直後、同社株は前日比16%以上急落。ニューヨーク証券取引所(NYSE)は取引を一時差し止めた。取引再開後のグリニッジ標準時(GMT)午後4時40分(日本時間13日午前1時40分)現在でも同14.5%安となっている。

 同社は、排ガス試験での不正を可能にする「ディフィート・デバイス(無効化装置)」と呼ばれるソフトの使用をめぐり、既に2件の集団訴訟を抱えている。EPAの発表を受けた声明では、同社製車両の排出量制限システムは米国における全要件を満たしており、「ディフィート・デバイスではない」と主張。問題解決に向け「次期政権」と協力していけることに期待していると述べた。(c)AFP