【1月12日 AFP】米デトロイト(Detroit)で今週始まった北米国際自動車ショー(NAIAS)では、外国の各自動車メーカーによる「例年以上」の米国へのアピールがところどころに見受けられる。

 開催国へのアピール自体は、特にめずらしいことではない。グローバル企業は、ブランドメッセージを地元市場に合わせることが多いからだ。しかし、ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領の就任式が目前に迫る中、米国への貢献度をアピールすることは、各企業にとってより大きな意味を持つ。

 一部の自動車メーカーは、トランプ氏に対する友好的な申し出をすでに行っている。トヨタ(Toyota)は10日、米国に対し今後5年間で100億ドル(約1兆1500億円)の投資を行うと発表。また米国内に4万人の従業員を抱えていることを強調した。

 会場内のトヨタのブースでは、「Made in America(米国製)」の文字と星条旗で覆われた新型カムリ(Camry)がひときわ目を引いた。同会場には、タコマ(Tacoma)やタンドラ(Tundra)といったピックアップトラックも展示された。タンドラには、組み立て工場のある米テキサス(Texas)州の地図があしらわれ、星条旗の3色に塗装されたタコマも、トヨタが米商工会議所(US Chamber of Commerce)主催の米退役軍人仕事斡旋プログラム「Hiring Our Heroes」の参加企業であることをしっかりと明示していた。

 現代(ヒュンダイ)自動車(Hyundai Motor)のブースでも同様のアピールがなされていた。韓国ではアメリカン・フットボールはさほど人気がないが、展示されていた多目的スポーツ車(SUV)には、同車がスポンサーを務める米ナショナル・フットボール・リーグ(National Football LeagueNFL)のロゴが飾られていた。

 他方でフォルクスワーゲン(Volkswagen)のブースでは、星条旗を映す複数のスクリーンの下に新型の大型SUV「アトラス(Atlas)」を展示。同社の北米部門責任者、Hinrich Woebcken氏は、アトラスについて「米国人のライフスタイルに合わせてデザインされており、米テネシー(Tennessee)州チャタヌーガ(Chattanooga)の工場で製造する」と語った。その一方で、今週発表されたばかりの別の新型SUV「ティグアン(Tiguan)」が、メキシコの工場で製造されることには触れなかった。(c)AFP/Tangi QUEMENER