【1月11日 AFP】男子テニスのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が、新世代の台頭はテニス界がまさに必要としていたものだとした一方、好敵手ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)の復帰を歓迎し、若手選手に対抗していく姿勢を示した。

 2016年は手首の故障に悩まされ、世界ランキングも9位まで低下したナダルと、膝のけがで6か月にわたって実戦を離れたフェデラーは現在、大舞台における復活への道を歩んでいる。

 来週開幕する四大大会(グランドスラム)初戦の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)では、アンディ・マレー(Andy Murray、英国)とノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)だけでなく、ドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)やアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)、そしてニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)といった新鋭が、2人の行く手に待ち受ける。

 若い選手たちがツアーで成功を収め始めているという30歳のナダルは11日、オーストラリアの地元紙で「彼らはうまくやっているよ」とすると、「新世代の才能あふれる選手たちがいるのは素晴らしいし、テニスにとっても良いことだ。テニス界は彼らを必要としている。時として、人は同じ選手をずっと見続けるのに退屈するんだ」と語った。

 2014年の全仏オープン(French Open 2014)以来、グランドスラムのタイトルから遠ざかっているナダルは、若手選手たちの台頭を喜んで見せた一方、自身はまだトップレベルで勝負できるとして、バトンを譲るつもりはないという。

 さらにナダルは、35歳のフェデラーがコートに復帰し、元気なプレーを見せていることに喜んでいると明かした。

「彼にとって初めての大きな故障を乗り越え、ロジャーがツアーに帰ってきたのはいいことだ」というナダルは、「(けがをするのは)タフだけど、彼の調子は良さそうだ。パース(Perth、男女混合国別対抗戦の第29回ホップマンカップ<Hopman Cup XXIX>の開催地)でもいくつかいい試合をしていたし、僕にとっても(フェデラーの活躍は)非常にうれしいよ」と話した。

 直近8年のうち7年は、カタール・ドーハ(Doha)で行われる大会でシーズンを幕開けしていたナダルだが、今年はオーストラリアのコンディションにより適応するため、ブリスベン国際(Brisbane International 2017)に出場。準々決勝でミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)に惜しくも敗れたが、絶好調になるにはまだ時間がかかるとみている。

「素晴らしいオフシーズンを送れたと思っているし、今後数か月については興奮している。たった2週間で、ロジャーや僕の調子を断言することはできない」

 また、3月下旬に開催されるマイアミ・オープン(Miami Open 2017)に言及したナダルは、「メルボルン(Melbourne)ではどんなことも起こりうるが、自分にはもう少し時間を与えようと思う。3か月くらいだ。マイアミ(Miami)の後、どうなるか見てみよう」と付け加えた。(c)AFP