■長年続く政情不安

 ブアケは、かつてコートジボワール北部を支配し、2002年から2011年にかけて同国を分断した反政府勢力が拠点とする都市。ブアケの軍当局者はAFPに対し、今回の暴動には反政府勢力から軍に参加した兵士らが関係しているとの見方を示した。

 軍関係筋によると、コートジボワール国内の駐屯地のうち元反政府勢力がいるところの大半で反乱が起き、一部では銃を空に向けて撃ったり略奪をしたりする例もあった。特殊部隊など、以前から政権側で装備も優れている部隊は反乱に加わっていない。

 ブアケでは2014年11月にも元反政府勢力から転じた兵士たちが賃上げを求めて今回と同様の騒動を起こし、混乱が最大都市アビジャンにも広がって国家機能が一時的に停止する事態となった。

 反政府勢力側が掌握する北部と、政権側が掌握する南部の事実上の分断によりコートジボワールは長年にわたって政情不安が続いている。2010年11月の大統領選決選投票でワタラ氏は当時大統領だったローラン・バグボ(Laurent Gbagbo)氏を破ったが、バグボ氏は敗北を認めず両陣営の間で軍事衝突となり、混乱の中で約3000人が死亡した。反政府勢力は2011年5月に就任宣誓したワタラ大統領をおおむね支持している。

 バグボ前大統領は逮捕されて人道に対する罪に問われ、オランダ・ハーグ(Hague)の国際刑事裁判所(ICC)で2016年1月から審理が行われている。(c)AFP/Ladji Abou Sanogo with Evelyne Aka in Abidjan