【1月8日 AFP】米ラスベガス(Las Vegas)で開催されている世界最大級の家電・IT(情報技術)見本市「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で、これまでトラブルやリコール(回収・無償修理)が相次いだ「ホバーボード」を新たに売り込む動きが出ている。

 ホバーボードは見た目がスケートボードに似ている一人乗りの乗り物。2年前のCESで注目を集め、2015年の年末休暇シーズンに人気商品となったが、電池の過熱による一連の発火事故で負傷者が出た。

 米国では昨年、搭載のリチウムイオン電池が過熱して出火や爆発の危険があるとしてメーカー・輸入業者・小売業の計10社が手掛けた50万台以上を対象とするリコールが行われた。昨年のCESでは開幕に先立ち、電池爆発の恐れがあるとして多数のホバーボードが当局に押収された。

 ホバーボード・テクノロジーズ(Hoverboard Technologies)の創業者ロバート・ビグラー(Robert Bigler)氏は安全性をめぐる議論にひるむことなく、今回のCESで6日に一輪ホバーボード「ジオブレード(GeoBlade)」を公開し、都市部の未来の乗り物になるとアピールした。

 ビグラー氏は「まるで陸でサーフィンをしているような」乗り心地だと説明し、今後は自転車のように活用されるようになると発言。乗りこなせるようになるのは難しいが、足場が狭く取り回しが容易なので二輪ホバーボードに対して強みがあると述べた。

 ジオブレードの航続距離は16キロ、最大時速は25キロ。発売は3月の予定で、価格は人気を集めた2年前に販売された機種の多くより高い1500ドル(約18万円)前後だが、これまでより品質の高い部品を使う。ビグラー氏は「社会的信頼の回復にはしばらく時間がかかる」と認めた。(c)AFP/Rob Lever