【1月1日 AFP】国連安全保障理事会(UN Security Council)は12月31日、6年に及ぶシリア内戦終結に向け、ロシアとトルコが主導する和平協議の決議案を全会一致で採択した。全国的な停戦2日目を迎えたシリアでは同日、首都ダマスカス(Damascus)で散発的な攻撃がみられたものの停戦はおおむね順守された。

 国連安保理の決議は、シリア政府を支援するロシアとイラン、そして反体制派を支援するトルコがカザフスタン首都アスタナ(Astana)で今月開催を予定している協議への地ならしとなる。アスタナでの協議についてトルコとロシアは、国連が支援し来月8日にスイス・ジュネーブ(Geneva)で開催される和平協議に取って代わるものではなく、補足するものであると説明している。

 決議は「ロシアとトルコによる、シリア内戦を終結させ、政治的解決を開始するための努力を歓迎・支持する」とした。またアスタナで行われる協議がジュネーブの和平協議に先立つ「重要なステップ」であると付け加えた。シリア国内における「迅速で安全、妨害行為のない」緊急援助物資供与の必要性を訴えた。

 シリア政府と反体制派をそれぞれ支援するロシアとトルコの両国は、停戦合意を仲介しており、最近では政府軍側に包囲されていたアレッポ(Aleppo)から市民を退避させるなど、緊密に動いている。

 この問題をめぐる直近の動きでは、その存在感が薄れている米国政府。今回の停戦合意については「ポジティブ」と表現した。ロシア政府は、今月20日にドナルド・トランプ氏が米次期大統領に就任後、一連のシリア和平努力に米政権を迎え入れたいとしている。(c)AFP/by Layal Abou Rahal