【12月28日 AFP】トルコの最大都市イスタンブール(Istanbul)で27日、今年7月に起きたクーデター未遂でレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の警護を怠った罪などに問われた警察官29人に対する裁判が始まった。この事件をめぐる裁判は地方では既に始まっているが、同市では初めて。

 トルコではクーデター未遂を受けて政府が発令した非常事態宣言の下、事件への関与が疑われる者らに対する大規模な粛清が続いており、現在4万1000人が勾留されている。クーデター未遂に絡む一連の裁判は、同国史上最も大規模な法的プロセスになるとみられている。

 クーデター未遂から5か月が経過し、小規模な裁判は既に地方では始まっており、26日にも西部のデニズリ(Denizli)で被告60人に対する裁判が行われた。

 しかし今回イスタンブールで開かれた裁判は、これまでで最も重要な意味を持つものだ。政府はクーデターを企てた者らによって、248人が犠牲になったと主張している。

 被告らは政府転覆を企図した罪や、当局がクーデターの首謀者と糾弾している米国に亡命中のイスラム教指導者フェトフッラー・ギュレン(Fethullah Gulen)師の組織に所属していた罪にも問われている。ギュレン師は容疑を全面否定している。

 裁判で有罪となれば、被告のうち21人に対してはクーデターを起こした罪で終身刑3回、残る8人については「テロ組織」に加入した罪で禁錮7年半~15年が言い渡される可能性がある。(c)AFP/Stuart WILLIAMS Clotilde GOURLET