【12月27日 AFP】メキシコの小さな村に住む少女、ルビ・イバラ(Rubi Ibarra)さんの15歳の誕生パーティーに、1万人もの人々が押しかけた。イバラさんのパーティーの招待状はインターネット上で大々的に拡散し、130万人以上が「行くよ」と応答していた。

 中南米では女の子の15歳の誕生日は、大人の女性の仲間入りをする節目とされるところが多く、家族は「キンセアネラ」と呼ばれるパーティーで大々的にそれを祝う。だが、ルビさんのパーティーはまったく新しいレベルの現象となった。

「ソーシャルメディアで招待を見つけて『誰でも来てだって?みんなで行こうよ!』ってなったのよ」と言うのは、車で5時間かけて駆けつけたタニア・ロドリゲス(Tania Rodriguez)さん。夫のゴンサロ・トーレス(Gonzalo Torres)さんは「彼女に関する投稿を見ていたら、すっかり家族の一員みたいな気分になったんだ」と言って、「もっとビール」を探しに消えた。

 パーティーが開かれたのは、サンルイスポトシ(San Luis Potosi)州のビジャデグアダルーペ(Villa de Guadalupe)の広大な原っぱ。中央には巨大な屋外ステージが用意され、花柄のガウンに真っ赤なスカートをまとったルビさんは、さまざまな年齢の約1万人の参加者と一緒に花火やコンサート、ダンスを楽しみ夜を明かした。

 ルビさんの15歳のパーティーの招待動画を作成したのは、父親のクレセンシオ(Cresencio Ibarra)さんだ。「ハイ、元気?ラホヤ(La Joya)で12月26日にやるうちの娘、ルビ・イバラ・ガルシアの15歳の誕生日パーティーにみんなを招待するよ」。メキシコ北部特有のカウボーイハットをかぶったクレセンシオさんは、親子3人で動画に登場し、当日演奏するバンドの名前と、約1万ペソ(約5万7000円)の賞金が出る競馬もやると告げ、「誰でも」歓迎だと述べた。

 フェイスブック(Facebook)上では約130万人が、この招待に出席したいと答えた。最初に予定していたラホヤは住民200人ほどの小さな村だ。「収拾がつかなくなってしまったね」とクレセンシオさん。「考えていたのは地域のパーティーだったからね。まったく考えてなかったよ」

 ルビさんのパーティーに乗じて、無料PRとばかりにディスカウントチケットを用意した航空会社や、レッドカーペットを走る少女がパーティーの招待券をみんなに配るゲームまで登場した。

 ルビさんの家族が最初に想定していた出席者の数は800人。自治体当局はパーティー会場を広い野原へ移動し、警備隊を派遣した。メキシコのメディアは「今年一番のパーティー」と呼んでいる。(c)AFP/Yemeli ORTEGA