【12月27日 AFP】中国・広東(Guangdong)省烏坎(Wukan)村で今年9月、当局に対する抗議運動が暴動へと発展した事態を受けて、9人の住民が「社会秩序かく乱」のかどで収監されていることが分かった。

 人口1万3000人余りのこの漁村は、2011年に土地収用の不正疑惑をめぐって大規模な抗議運動が発生。汚職に対する抵抗の象徴的存在となり、世界中で報道されて注目を集めた。

 だが今年9月、当局は「公共の秩序を乱した」として住民13人を拘束。これが引き金となった大規模な抗議運動から暴動へと発展すると、警察は村を封鎖し、報道管制を敷いた。今回収監されていることが判明した9人には、その時に逮捕された13人の一部も含まれている。

 司法当局が26日、公式ウェブサイトに掲載した声明によると、住民9人は違法な集会やデモなどを企て「社会秩序を深刻にかく乱し」、偽の情報を広めたとして2~10年の刑期で服役しているという。声明は、事件は大変重大なものだったために「工場や商店の業務が機能せず、深刻な損害をもたらした」としている。

 今年9月の暴動は、11年の抗議運動を主導した主任(村長)、林祖恋(Lin Zulian)氏が収監されたことを発端として起こった。国営新華社(Xinhua)通信は、林氏が59万元(約1000万円)相当の賄賂を受け取ったと自白し、収賄罪で懲役3年の有罪判決を受けたと報じている。(c)AFP