【12月27日 AFP】クリスマス休暇のフィリピンを襲った台風26号(アジア名:ノックテン、Nock-Ten)により、少なくとも6人が死亡、18人が行方不明になっている。被害状況を調査している政府が27日、明らかにした。

 異例に遅い時期に到来した台風26号は、クリスマスの25日にフィリピン東部に到達した後、西へと向かい諸島を横断した。道路や農場が冠水し、家屋が破壊され、船舶も被害を受けた。ただし人口が集中するマニラ(Manila)首都圏は大きな影響を受けなかった。

 沿岸警備隊によると、バタンガス(Batangas)州では係留されていたフェリー「スターライト・アトランティック(Starlight Atlantic)」号が沈没して乗組員1人が死亡、18人が行方不明になっており、台風26号の被害としては最悪のものとなっている。

 また地元当局者によると、洪水や崩壊した壁の下敷きになるなどで計5人が死亡している。フィリピン東部の多くの州では停電が発生しており、災害監視局の報道官によれば、電力供給再開の見通しは立っていない。同報道官は記者団に対し「強風で破壊された多くの家屋を確認した。学校や病院などのインフラも同様だ。破壊された家屋の数や被害額について正確な数字の報告を待っているところだ」と述べた。

 今回の台風26号の最大風速は約64メートルだった。公式データによると、被害を受けやすい地域からは42万9000人以上が事前に避難した。空の便は330便以上が欠航となった。

 台風26号は26日、ルソン(Luzon)島を離れ、南シナ海(South China Sea)へ向かって西方へ抜けた。(c)AFP