【12月26日 AFP】財政再建が課題となっているギリシャの財務相が、英作家チャールズ・ディケンズ(Charles Dickens)の名作「クリスマス・キャロル(A Christmas Carol)」の主人公で守銭奴として知られるエベニーザ・スクルージ(Ebenezer Scrooge)をあしらったクリスマスカードを関係者に送り、欧州連合(EU)の債権者に対するあからさまな揶揄(やゆ)だとして話題を呼んでいる。

 エフクリディス・チャカロトス(Euclid Tsakalotos)財務相は、財務省職員やジャーナリストらに宛てた電子版クリスマスカードに、英風刺画家ジョン・リーチ(John Leech)作の「クリスマス・キャロル」の挿絵を採用した。

 カードには、スクルージのもとに死んだ共同経営者の亡霊が現れ、生き方を改めなければ永遠に地獄の鎖につながれると語る場面が描かれている。このイラストには「たぶん、クリスマスにまつわるあらゆる物語には、カキのように殻を閉ざし、途方もない孤独の中でクリスマスの精霊の訪れを受けるエベニーザのような恐ろしい人物が付きものなのだろう。われわれのクリスマスの物語も、例外ではないかもしれない」とのメッセージが添えられている。

 メッセージはさらに「しかし、親愛なる友人たち、同僚たちよ、われわれの願いは世界中の全ての守銭奴どもに勝る。われわれはこの願いを諦めない」と続く。

 ギリシャのアレクシス・チプラス(Alexis Tsipras)政権は今月初め、税収が増えたことを受けて、移民・難民の大量流入で困難に直面している国内の一部の島を対象とした減税策を打ち出すとともに、貧しい年金生活者に一時金を支給する方針を発表した。だが、多額の債務を抱えるギリシャのこの決定に、ドイツをはじめとするEU諸国は反発。事前に十分な説明がなかったとして、ギリシャの債務軽減策の実施を停止していた。(c)AFP