【12月26日 AFP】欧州で家具販売大手イケア(IKEA)の店舗に一晩隠れ、翌朝出て行くといういたずら行為が新たな流行となっており、イケア側は「不法侵入に当たる」と警告している。

 きっかけは2人のベルギー人学生が今夏、同国ヘント(Ghent)にあるイケアの店内で一夜を過ごし、その際に撮影したビデオを動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」に投稿したことだった。以来、欧州ではスリルを求めるいたずら者たちがこの動画をまねている。

 2人が投稿した「イケアの夜のばか2人(Two idiots at night in Ikea)」と題された動画は170万回再生された。学生の1人はAFPに対し「高校を卒業した後、何かすごいことはできないかと考えていた」と語った。

 2人は窮屈な洋服ダンスの中に何時間も隠れ、夜になって清掃スタッフが完全に帰ったことを確信すると店内に出た。「監視カメラに映るリスクは冒したくなかったから、それほど遠くへは行かなかった」という。そして、大きなベッドカバーの下で這いつくばっていたが、緊張で熟睡はできなかった。翌朝、店が開くと、2人は涼しい顔で出口に向かって通路を進み、何も知らない店員が2人に「ご来店ありがとうございました」と声を掛ける。

 スウェーデンの日刊紙ダーゲンス・ニュヘテル(Dagens Nyheter)に警察筋が語ったところによると、これまでに世界各地のイケアの店舗約400店が計約1300人の「夜のお忍び客」の標的にされている。

 一方、イケアの広報は、火事など不測の事態が起きて脱出できなくなった場合などに、イケアは安全を保証できないとして、いたずらをまねしないよう強く勧告している。さらに、この種の侵入は不法侵入に当たり、法によって罰せられるとも述べている。(c)AFP/Gaël BRANCHEREAU