【12月21日 AFP】イングランドラグビー協会(RFU)のイアン・リッチー(Ian Ritchie)最高責任者は、同国代表のエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)が仮にストーマーズ(DHL Stormers)との契約を解除せず、就任時期が後ろ倒しになっていたとしても、協会として同HCを迎え入れる方針だったことを明かした。同責任者が、英紙タイムズ(The Times)に語った。

 結果的にイングランド代表HCに就任したジョーンズ氏は、シックスネーションズ(Six Nations Rugby 2016)で全勝優勝(グランドスラム)を成し遂げただけでなく、母国オーストラリアで行われたテストマッチシリーズでワラビーズ(Wallabies、オーストラリア代表の愛称)に3連勝するなど、今季を無傷の13連勝で終えて期待に応えた。

 しかしながらリッチー氏は、世界最高峰リーグのスーパーラグビー(Super Rugby)に参戦するストーマーズが、ジョーンズHCに最低でも1シーズンはチームの指揮を任せたいと主張してきた場合には、アシスタントコーチを務めるアンディ・ファレル(Andy Farrell)氏やマイク・キャット(Mike Catt)氏、グラハム・ロウントゥリー(Graham Rowntree)氏らを暫定的な指揮官に立てる予備プランを用意していたという。

 2015年に行われたW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)で、イングランドが予選プール敗退に終わり、一時は自身のポストも危ぶまれたリッチー氏は、「もし(ジョーンズHC就任が)完全に不可能で実現できなかった場合には、現状維持をしながら、より長期的な計画で事を進めただろう」とし、同HCが就任しない可能性は「常にあった」と明かした。

 交渉のため、昨年11月に南アフリカのケープタウン(Cape Town)に飛んだリッチー氏だが、ジョーンズHCが2015年のW杯で日本を率い、強豪南アフリカから金星を挙げるなどして評価を上げていたことで、当初は同HCと契約を結べる見込みはないと考えていたという。

「ホテルの部屋で4時間にわたり、2人であらゆることについて話した」と当時を振り返るリッチー氏は、「いかなる交渉も、初めの数分で相手と仕事ができるか大局がつかめるというが、最初の数時間で(エディーHCが就任する)確信が得られた」と話した。

「彼がこの職に関心があるのは明らかだった。断固として引き受けたくないとしている人を説得するような状況ではなかった」 (c)AFP