■ジョアン・アベランジェ氏(水泳、水球、サッカー)

 FIFAを巨大なグローバルビジネス企業に成長させ、リオデジャネイロ五輪招致を成功させた立役者でもある、汚職にまみれたジョアン・アベランジェ(Joao Havelange)元FIFA会長は、100歳の誕生日から3か月と8日後の8月16日、リオ五輪の開催期間中にこの世を去った。

 ブラジル出身のアベランジェ氏は、現役時代には1936年のベルリン五輪に水泳代表として、1952年のヘルシンキ五輪に水球代表として五輪に出場したが、最も記憶されているのは組織運営者としての姿だろう。

 1974年にFIFAの会長に就任したアベランジェ氏は、W杯の出場枠を16か国から32か国に拡大し、W杯を地球規模のスポーツの祭典としてブランド化した。ジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)氏に会長の座を譲りわたす前の1998年には、「私はただ面白い試合を見て、拍手をするためだけにFIFAの会長になったわけではない」という言葉を残した。

 酒もたばこもやらなかったアベランジェ氏は、しかし、その後に急激な転落を経験した。汚職疑惑の嵐が吹き荒れた2011年には、国際オリンピック委員会(IOC)を辞任。その2年後には、賄賂を受け取っていたことを認めてFIFAの名誉会長職を降りた。

■シャペコエンセの悲劇

 11月28日、ブラジルのサッカーチーム、シャペコエンセ(Chapecoense)のメンバーを乗せた飛行機が、コロンビア第2の都市メデジン(Medellin)近郊に墜落した。犠牲者71人の多くはシャペコエンセの関係者で、選手、監督、スタッフを合わせて50人が命を落とした。コパ・スダメリカーナ(2016 Copa Sudamericana)の決勝へ進出するという、おとぎ話のような1年を送っている最中の出来事だった。

■初の女性F1ドライバー

 フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)初の女性ドライバーであるマリア・テレーザ・デ・フィリップス(Maria Teresa de Filippis)さんは、89歳でこの世を去った。イタリア出身で、女性カーレーサーの先駆けであるデ・フィリップスさんは、個人で所有するマセラティ(Maserati)で、合計3回グランプリの決勝レースに出走した。(c)AFP/Nick REEVES