【12月19日 AFP】16クラブW杯(2016 FIFA Club World Cup)は18日、決勝が行われ、レアル・マドリード(Real Madrid)は延長戦の末に4-2で鹿島アントラーズ(Kashima Antlers)を退け、ここ3年で2回目、通算5回目のクラブチーム世界一の座に輝いた。

 それでも、レアルは鹿島に大いに苦しめられた。カリム・ベンゼマ(Karim Benzema)のゴールで幸先よく先制したレアルだったが、アントラーズの柴崎岳(Gaku Shibasaki)に2点を決められて逆転を許し、一時は過去最大級の番狂わせの可能性もよぎった。

 それでもレアルは、クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)のPKで同点に追いつくと、両チーム2-2で迎えた延長前半、ロナウドが立て続けに2ゴールを挙げてハットトリックを達成し、勝利を決定づけた。

 ロナウドは息を切らせながら、「本当にすごい試合だった!苦しめられたけど、これが決勝というもの。ファンはいつも、クリスティアーノに今まで以上を求める」と自分を客観視して話した。

「忘れられない1年だ。チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2015-16)を取って、スーパーカップ(UEFA Super Cup 2016)を取って、それからポルトガル代表で欧州選手権(UEFA Euro 2016)を優勝して。その上、こうして3ゴールを取れて、夢のような1年のこれ以上ない締めくくりになったよ。信じられない」

 この勝利で、レアルは公式戦無敗を37試合、今季開幕からの無敗を26試合に伸ばし、ジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)監督は、ファビオ・カペッロ(Fabio Capello)監督時代を上回るクラブ最高の前半戦を過ごした。

 これで、クラブW杯は直近の10大会のうち、9回を欧州のクラブが制したことになる。

 一方、Jリーグ1部(J1)で年間3位ながら、チャンピオンシップ決勝を制してこの大会に出場したアントラーズは、レアルを追い詰める見ごたえ十分の試合を披露したが、何回か幸運に見放されたような場面があった。

 特に延長に入る間際には、レアル主将のセルヒオ・ラモス(Sergio Ramos)が危険なタックルを繰り出したようにも見えたが、ザンビアのジャニー・シカゼ(Janny Sikazwe)主審は2枚目のイエローカードを提示しなかった。

 鹿島を率いる石井正忠(Masatada Ishii)監督は、「レフェリーが勇気を持てなかった場面があって、残念だ。選手たちは勇気を持って戦ってくれたし、大会の中で成長してくれたと思う」と話した。

 ユベントス(Juventus)時代の1996年、レアル時代の2002年に、選手としてクラブチーム世界一のタイトルを獲得しているジダン監督も、鹿島の選手をたたえた。

「鹿島のスピードとフィジカルには少し驚かされた。しかし今シーズン、われわれは苦しい中でも自分たちを信じ続け、勝利への道を見つけてきている」

 3位決定戦は、アトレティコ・ナシオナル(Atletico Nacional)が両チーム2-2で迎えたPK戦を4-3で制し、クラブ・アメリカ(Club America)に勝利した。2点のリードを追いつかれる展開だったが、ミゲル・ボルハ(Miguel Borja)が最後のPKを決めてクラブ・アメリカを振り切った。(c)AFP/Alastair HIMMER