【12月18日 AFP】コロンビア第2の都市メデジン(Medellin)近郊で先月28日、ブラジルのサッカーチーム、シャペコエンセ(Chapecoense)の選手らが乗っていた旅客機が墜落した事故で、奇跡的に助かったDFアラン・ルシェウ(Alan Ruschel)選手(27)が17日、事故後初めて記者会見を行った。

 テレビで全国放送された会見の中でルシェウ選手は、機内でシャペコエンセ幹部のカドゥ・ガウショ(Cadu Gaucho)氏から席を移るよう言われたことで運命が変わったと語り、生還できたのは機内で座席を移動したからだと述べた。「すぐに座席を移動したくはなかった」が、GKのジャクソン・フォルマン(Jackson Follmann)選手が自分の隣に座るよう言ってきたためフォルマン選手の隣に座ったという。

 フォルマン選手も助かったものの、片脚を切断する手術を受けた。事故ではシャペコエンセの選手の大半とチームのスタッフを含む71人が死亡した。生存者はルシェウ、フォルマン両選手、DFのエリオ・エルミート・サンピエル・ネト(Helio Hermito Zampier Neto)選手、ブラジルのラジオ記者ハファエル・ヘンゼウ(Rafael Henzel)氏、事故機のボリビア人乗務員2人の6人。

 ルシェウ選手は「私の感情を表現する言葉が見つからない」「生きて、ここに座っていられることに対する大きな喜び、それと同時に、多くの友人を亡くしたことへの悲しみが混じった複雑な感情だ」と述べた。

 医師によるとルシェウ選手は6か月で完治するとみられている。会見でルシェウ選手は涙を流しながら、回復したらピッチに戻るためにどんなことでもすると述べた。

 事故調査は現在も続いているが、コロンビアの民間航空安全局長は事故機が予備燃料に関する国際規定を守っていなかったと述べている。事故機のボイスレコーダーには管制塔に燃料切れを報告するパイロットの切羽詰まった声が記録されていた。(c)AFP