【12月17日 AFP】東京都の小池百合子(Yuriko Koike)知事は16日、2020年東京五輪のバレーボール会場について、計画通り都内に新設する考えを表明する一方で、建設費用を削減して高騰する予算への懸念に対処するとしている。

 東京五輪開催をめぐっては、予算が約3兆円まで膨れ上がり、当初の4倍および2012年ロンドン五輪のほぼ3倍にまで跳ね上がっているとの指摘が影を落としてきた。

 小池知事は今年10月、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長と会談し、IOC、大会組織委員会、東京都、そして日本政府による4者協議を設けてコスト削減を模索していくことで合意。自ら任命した専門家の意見を取り入れ、バレーボールと同様にボートとカヌー・スプリント競技の会場を移転させ、新設が決まった水泳会場は規模を縮小する計画を打ち出していた。

 しかし、小池知事はこの日、「技術的に困難」であるとして、バレーボール会場を横浜市の既存施設に移転させる計画を取り下げると述べた。

 小池知事は先月、ボート・カヌー競技についても建設費用を見直したうえで、移転を見送ると表明。記者会見では、都内に会場施設を建設する代わりに、「400億円のコスト削減を可能にする」と強調していた。

 今後は16パーセントのコスト削減と、IOCの正式な承認を得ることになるバレーボール会場について、東京都は運営権を民間企業に売却し、コンサートやイベントなどの会場として活用していく方針を打ち出している。(c)AFP