■乳幼児を使ってレイプ被害女性をたたく

 ルロボ(Lulobo)人のアイリーンさん(28)は、ディンカ人の男たちにイェイ川(Yei River)州マンベ(Mambe)の自宅を襲撃され、夫を撃ち殺された。顔に傷として刻まれた独特の印から、襲撃者たちはディンカ人だと分かった。

 夫によってベッドの下に押し込まれて助かったアイリーンさんは、子どもたちを連れて逃げた。しかしウガンダに向かって灌木(かんぼく)地帯を歩いていたとき、アイリーンさん一家が一緒にいたグループは、武装したディンカ人の男たちに出くわした。

「その男たちに2人の女性が捕まり、レイプされた。男たちは1歳と1歳半くらいの赤ちゃん2人を奪い取ると、赤ちゃんを棒のように使ってその女性たちをたたいた」。アイリーンさんは「赤ちゃんたちはまだ生きてはいたけれど、体の内側はひどい状態だったと思う」と語った。なぜ自分が無事だったかは分からないと言う。

 現在、周辺諸国に避難している大勢の難民たちが、南スーダン中から同じような恐怖を逃れてきた。国連(UN)のアダマ・ディエン(Adama Dieng)事務総長特別顧問(ジェノサイド防止担当)は最近、南スーダンで「ジェノサイドが行われている可能性」を警告した。

 ウガンダ北部に駐在する国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の調整官、ナシール・アベル・フェルナンデス(Nasir Abel Fernandes)氏もディエン氏の見解に同意し「南スーダン・ウガンダ国境を越えてくる誰もが、民族的な側面を理由に殺されると感じたと言っている」と語った。(c)AFP/Michael O'HAGAN