■「別格」の組織

 英国を拠点に世界の武器の流れを調査しているNGO「紛争兵器研究所(Conflict Armament Research)のジェームズ・ビバン(James Bevan)代表は、「規模や計画、中央集権化された指揮管理、製造物の精度といった観点でみれば(ISは)別格」と語る。

 ビバン氏とNGOのチームは、イラク国内のIS拠点における武器製造の規模を調査。14日に詳細な内容の報告書を公開した。報告書は「比類なき規模」で兵器の製造が行われ、厳しい品質管理も徹底されていたと説明している。

 こうした高い基準を証明するかのように、ISの「製品」は、ミリタリーグリーンに塗装され、組織のロゴマークもつけられる。そして、専用のケースに格納されて各地へと送られる。

 薬きょうなどの材料は、ISが掌握した地域に残されたスクラップの金属やスクラップパーツからまかなうことができる。その一方で、爆薬や火薬は、トルコのマーケットから大量にシリアへと流れ込む兵器から調達しているのだという。

 ISが製造する武器は、イラクやシリアの政府軍や反政府勢力から押収の既成の兵器の流入を補う上で重要な手段だ。イラク軍の元将校や情報局員らが指揮を執る同組織は、IEDなどの武器を使い、作戦を展開させてきた。

 しかし、掌握地域は各方面からの圧力を受け、組織の分裂は進んでいる。今後、縮小を続けるこうした拠点以外での脅威に対抗する上で、情報の収集は極めて重要な意味を持つ。

 ビバン氏は、「もしイラクやシリアの戦闘地域を、高度化が進む即席兵器の開発の温床とみるならば、それは比類なきものだろう」「ISがモスルやシリアの大部分から排除された場合、その戦闘員らは四方に散らばることになる。それはつまり、爆弾の製造担当者もばらばらになることを意味する」と語った。(c)AFP/Max Delany