【12月15日 AFP】米大統領選に対するロシアの干渉をめぐり、米NBCニュース(NBC News)は14日、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が自らハッキングを指示したと米情報当局が断定したと報じた。民主党の候補だったヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏が過去に、ロシアの選挙の公正さに疑問を呈したことへの復讐(ふくしゅう)の一環だったという。

 NBCは情報当局の幹部2人の話として、米民主党に対するハッキングで入手した資料について、どのようにリークし、利用するかをプーチン氏が直接指示していたと伝えた。2人はこの新たな評価に「高い信頼」を持っているという。

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は先週、大統領選で共和党のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が優位に立てるようにすることを目的に、ロシアが米国の個人や機関のメールなどをハッキングしたと中央情報局(CIA)が結論付けたと報じていた。トランプ氏はクリントン氏を破って当選を果たした。

 プーチン氏は、2011年に行われたロシア議会選について、当時国務長官だったクリントン氏が公正さに公然と疑問を示したことに激怒。路上デモを助長したと同氏を非難し、以後も許していないとされる。

 情報機関の幹部らはNBCに対し、プーチン氏が関わったとされるハッキングは当初、クリントン氏への復讐を目的に始まったと指摘。その後、米政治の腐敗ぶりを暴露し「米国はもはや世界のリーダーとして頼れないとのイメージをつくり出して、米国の主要な同盟国を分裂させる」ことを狙った、より広範な策略に変わっていったと述べている。(c)AFP