【12月12日 AFP】脱税疑惑が持ち上がっているスペイン1部リーグ、レアル・マドリード(Real Madrid)のクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)が2015年の収入として申告した2億2500万ユーロ(約270億円)のうち、2000万ユーロ(約24億円)が複数のスイス銀行に振り分けられていたことが発覚した。スペイン紙エルムンド(El Mundo)が11日、報じた。

 同紙が入手した納税申告書によれば、ポルトガル代表のロナウドはスペイン国内で2350万ユーロ(約28億円)、同国外で2億370万ユーロ(約245億円)を稼いだとされている。これはロナウドのマネジメントを行うジェスティフテ(Gestifute)社が、同選手がスペイン税務当局に従っている証拠として8日に公表した財務記録の数字と一致していた。

 しかし、財務状況を詳しく調べると、ロナウドは合計2000万ユーロをスイス銀行に預金しており、その大半を占める1700万ユーロ(約20億円)はプライベートバンクのミラボー(Mirabaud)にある三つの口座に預けられ、残りは地方銀行にある計19個の口座に振り分けられていたという。

 母国ポルトガルでは計五つの銀行の口座にわずか3万3452ユーロ(約407万円)しか預けていないロナウドは、さらにルクセンブルクにある19か所の信託会社で1400万ユーロ(約17億円)を投資しているほか、株式や債権に加えて不動産による外貨も所持しているとみられる。

 ロナウドの資産に疑惑の目が向けられることになったきっかけは、各国のメディアが作る国際コンソーシアムが今月2日、約1800万点の文書を含む大量のデータの流出があったと発表したことだった。これらのデータの中には、同選手が肖像権収入1億5000万ユーロ(約180億円)をタックスヘイブン(租税回避地)の英領バージン諸島(Virgin Islands)に隠していることを示すものがあり、現在スペイン税務当局が疑惑を捜査している。(c)AFP