■英国は異なる見方

 一方、英国の専門家らは、米国が電子たばこを脅威として受け止めていることに疑問を呈した。

 英イングランド公衆衛生サービス(PHE)のケビン・フェントン(Kevin Fenton)健康福祉局長は「英国での位置づけは大きく異なる」と指摘する。

「証拠を再検証した結果、電子たばこの使用に伴う危険性は、喫煙に比べてごく少ないことが判明した。この結論は今年、英王立内科医師会(Royal College of Physicians)が改めて表明した」とフェントン局長は述べた。「この結論を覆す新たな証拠は、まだ発表されていない」

 また、電子たばこが、従来型たばこの喫煙者が禁煙する助けになる可能性があることが、これまでに発表された複数の研究で示されている。

 英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(UCL)が今年発表した研究では、2015年に英イングランド(England)の1万8000人が喫煙習慣を絶つ上で電子たばこが役に立った可能性があることが示された。

 米ニューヨーク(New York)のレノックスヒル病院(Lenox Hill Hospital)の肺疾患専門家、レン・ホロビッツ(Len Horovitz)氏は、10代の若者は電子たばこの使用を経て従来型の喫煙に移行する傾向があるとして、異議を唱えた。

「喫煙への入り口は、やはり電子たばこである可能性があり、従来型の喫煙に安全レベルなど存在しない」

 世界保健機関(WHO)によると、世界の喫煙による年間の死亡数は約600万人に上っており、その大半が低所得国で発生しているという。(c)AFP/Kerry SHERIDAN