【12月9日 AFP】米俳優のレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)さんが、気候変動をめぐってドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領と会談していたことが8日分かった。気候変動は「でっち上げ」と発言したこともあるトランプ氏に対して、再生可能エネルギーの利用を促進すれば多数の雇用創出を通じて経済を活性化できると訴えたもようだ。

 レオナルド・ディカプリオ財団(Leonardo DiCaprio Foundation)の声明によると、ディカプリオさんは財団のテリー・タミネン(Terry Tamminen)理事長と共に、持続可能なインフラへの投資によって「大規模な経済再生」を促進する計画について、トランプ氏や娘のイヴァンカ(Ivanka Trump)さん、他の側近らに説明した。

 タミネン理事長は会談について「商用あるいは住宅でのクリーンで再生可能なエネルギー発電の建設・運営分野で、米国に多数の安定した雇用を創出する方法に重点が置かれた」と説明している。

 長く環境問題に関わり、米大統領選ではヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官を支持していたディカプリオさんは、気候変動を扱ったドキュメンタリー作品「地球が壊れる前に(Before the Flood)」に参加し、今年2月の米アカデミー賞(Academy Awards)の授賞スピーチでも環境問題に言及していた。

 ニューヨーク(New York)のトランプタワー(Trump Tower)で1時半にわたって行われた今回の会談に当たり、ディカプリオさんはこのドキュメンタリーをトランプ氏に渡したという。作品はこれに先立ち、イヴァンカさんにも贈呈していた。

 トランプ氏は8日、新政権の環境保護局(EPA)長官(閣僚級)に、気候変動の否定論者で化石燃料の強硬な支持者であるスコット・プルイット(Scott Pruitt)オクラホマ(Oklahoma)州司法長官を起用すると発表。一部から反発の声が上がっている。(c)AFP