【12月7日 AFP】(更新)政府軍に包囲されたシリア・アレッポ(Aleppo)からツイッターへの投稿を続け、世界的な関心を集めていた7歳の少女が、激しい戦闘のために家を離れたことが分かった。少女の父親が6日、家族とともに無事であるとAFPの取材に明らかにした。

 少女は、アレッポ東部地域から母親の助けを借り、悲惨な日常をツイッターに英語で投稿していたバナ・アルアベドさん。政府軍が近づいていたここ数日は、ツイッターの投稿が滞っていた。

 政府軍が3分の2を制圧したアレッポ東部から電話取材に応じた父親のガサーンさんは、「私たちの家は爆撃で被害を受けた」「政府軍がわれわれの地区にかなり迫ってきたため、東部の別の地域に逃げた。家族は無事だ」と述べた。また移動先については「インターネット接続の状況がかなり悪い」と説明した。

 9月末以降、バナさんと母親のファテマさんは、その多くががれきと化したアレッポについて定期的にツイッターに投稿し、これまでに21万人以上のフォロワーを集めていた。

 本を読んだり、ノートに書きものをしたりするバナさんの写真が並ぶアカウントだが、中には「現在のアレッポ。とても怖い」とキャプションが付けられた、巨大な白煙が立ち上る街の画像なども挟み込まれている。初期の投稿には「アレッポからこんにちは。戦争を忘れるために本を読んでいます」といった書き込みがみられた。

 母親のファテマさんは4日夜、「私たち、きっとすぐに軍に捕まるでしょう。また会う日まで、いとしの世界、さようなら」と投稿。アカウントの更新が止まってから24時間が経過し、心配したフォロワーらが#WhereisBanaのハッシュタグを立ち上げた。

 その後、新たな書き込みがあったのは5日夜だった。母親の名前で「攻撃を受けている。逃げる場所もない」と書かれた他、生きた心地がしない、祈ってほしいなどと記された。

 バナさんも6日に新たなメッセージを投稿した。「友人の皆さん、こんにちは。元気? 私は元気です。寂しかったです」と述べ、フォロワーに生きていることを知らせた。

 バナさんのアカウントはこれまで、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領の支持者らから非難され、バナさんとファテマさんに対しては、殺害予告も送られている。アサド大統領は10月に行ったデンマークのTV2のインタビューで、バナさんの投稿について「テロリストやその支持者らのプロモーションだ」と主張していた。(c)AFP