■悪魔との契約

 これまでにアクニャ牧師が執り行ってきた悪魔払いは1200回を数える。それでも2001年の最初の悪魔払いのことは今でもしっかりと覚えているという。

 その日、ミサのさなかに10代の少女が身もだえして訳の分からないことを口走り始めた。

「あの日の悪魔払いで、わたしは初めて悪魔と対峙(たいじ)した」「そして悪魔払いが私の生きる道となった」(アクニャ牧師)

 首都ブエノスアイレス郊外にあるアクニャ牧師の教会では毎月、喧騒(けんそう)と熱気にあふれた悪魔払いの儀式が公開されている。AFPが取材に訪れた際も、悪魔に憑りつかれたという参加者たちが大声をあげていた。

 すると女性の1人が口から赤い液体を吐き出した。アクニャ牧師によると女性は動物の血を使い悪魔と契約を結んだのだという。

■「祝福パワーを感じる」

 教室に通う生徒は多種多様。専業主婦もいれば弁護士や作家、建築家もいる。

 生徒の一人で、以前は呪われた家に暮らしていたというグロリア・サンチェスさん(60)は、同じような状況に置かれた人たちが「問題を克服、理解、そして解決できるよう助ける方法を学びたい」とAFPに語った。

 そして、「この教室では、私が人生で経験してきたことで、これまで誰も説明できなかったことを解き明かしてくれる…祝福のパワーを授かっていると感じることができる」と続けた。(c)AFP/Liliana SAMUEL