【12月3日 AFP】国際陸上競技連盟(IAAF)は2日、2016年の世界最優秀選手を発表し、男子短距離のウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)が前人未到となる6度目の選出を果たした。女子は、リオデジャネイロ五輪の1万メートルで世界記録を樹立したアルマズ・アヤナ(Almaz Ayana、エチオピア)が選ばれた。

 来季限りで現役から退くボルトは、「スタジアムに入場する瞬間のために生きている。競走が大好きだ」と話す。

 2008年、2009年、2011年、2012年、そして2013年につづく受賞となったボルトは、リオ五輪の100メートルを9秒81で制すと、4日後に行われた200メートルも19秒78で優勝した。アンカーを務めた翌日の4×100メートルリレーでは、37秒27をマークして母国の金メダルに貢献。五輪史上初となる「3種目3連覇」の偉業を打ち立てた30歳は、シーズンの個人種目を6戦無敗で終えた。

 受賞についてボルトは、「間違いなく大きなことだ」とすると、「最優秀選手に選ばれるというのは、すべてのハードワークが報われる瞬間だ」と語った。

 ボルトは今回、リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)で5000メートルと1万メートルの2大会連続2冠を達成した英国のモハメド・ファラー(Mohammed Farah)や同五輪の400メートルでマイケル・ジョンソン(Michael Johnson)氏の世界記録を更新する快挙を成し遂げた、南アフリカのウェイド・バンニーキルク(Wayde van Niekerk)を抑えての栄冠となった。

 一方の女子では、リオの1万メートルで世界新記録を生んだアヤナがタイトルを獲得している。

 2015年に開催された第15回世界陸上北京大会(15th IAAF World Championships in Athletics Beijing)の5000メートルで世界女王になった25歳のアヤナは今季、同種目での世界記録更新にも肉薄。モロッコのラバト(Rabat)で14分16秒31のパフォーマンスを見せると、イタリア・ローマ(Roma)では、史上2番目となる14分12秒59をたたき出して世界記録に迫った。

 その後も勢いは続き、6月に行われた国内選考会で、自身初の出場となった1万メートルで30分07秒00を記録して制すると、リオ五輪の同種目では23年前に樹立された世界記録を約14秒も更新する29分17秒45の衝撃の走りを披露した。5000メートルでは銅メダルに終わったが、ダイヤモンドリーグ(IAAF Diamond League 2016)では年間王者に輝いている。(c)AFP/Luke PHILLIPS