【11月30日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領は29日、厚生長官にジョージア(Georgia)州選出のトム・プライス(Tom Price)下院議員を指名した。

 元整形外科医のプライス氏はバラク・オバマ(Barack Obama)大統領が成立させ賛否両論を集めている医療保険制度「医療費負担適正化法(Affordable Care Act)」、通称「オバマケア(Obamacare)」を激しく批判してきた。同氏の厚生長官への指名は、トランプ氏が選挙戦で掲げていたオバマケア撤廃という公約の実現を目指していく方針であることを示唆している。

 トランプ氏はプライス氏について「オバマケアを撤廃して代替策を講じ、医療を全国民の手が届く金額で提供するというわれわれの尽力を先導していくのに極めて適任だ」と評している。

 オバマ氏が鳴り物入りで導入したこの医療改革により、これまで米国民2000万人が医療保険に新規加入。保険未加入率は1割未満という歴史的低水準に押し下げられた。その一方で、一部の層の保険料が大幅に引き上げられ、また多くのプランで担保内容が減る事態も生まれた。

 だがトランプ氏は、オバマケアで最も人気の高い2つの内容については維持したい考えを表明している。1つ目は、26歳までは親のプランに加入できるようにすること、2つ目は、従来の条件のままでプランに入っている人に対し、保険会社が保険適用を拒否できないようにするということだ。(c)AFP