【11月29日 AFP】カリブ海(Caribbean Sea)の島国ハイチの暫定選挙委員会は28日、27人が立候補した今月20日投票のやり直し大統領選の第1回投票の暫定結果を発表し、ミシェル・マルテリー(Michel Martelly)前大統領が推す実業家のジョブネル・モイーズ(Jovenel Moise)氏が得票率55.67%で当選したと明らかにした。

 ハイチの大統領選では、第1回投票で過半数の票を獲得した候補者がいれば、この時点でその候補者が当選となる。

 2位は野党LAPEHのジュード・セレスタン(Jude Celestin)氏(得票率19.52%)、3位はモイーズ・ジャン・シャルル(Moise Jean Charles)氏(同11.04%)、4位はマリーズ・ナルシス(Maryse Narcisse)氏(同8.99%)だった。

 ハイチの法律では、開票結果に不服のある候補者は12月29日に予定されている正式発表までに選挙裁判所への申し立てを行うことができる。

 今回の選挙はハイチの憲法秩序を回復させる上で重要なステップだった。大統領選の第1回投票は昨年10月に行われたが、独立委員会が大規模な不正があったと認定し野党が抗議したことを受けて選挙結果は無効とされた。

 その後マルテリー前大統領は任期満了を迎えたが憲法の規定により後継大統領に権力を移譲することができず、議会は今年2月にジョスレルム・プリベール(Jocelerme Privert)上院議長を暫定大統領に選出。プリベール暫定大統領の任期は120日間とされていたが、情勢不安と政治的内紛により大統領選は遅れた。

 今年10月9日に大統領選が行われることになったものの、その数日前に大型ハリケーン「マシュー(Matthew)」が上陸したため再び延期されていた。(c)AFP