【11月29日 AFP】ラグビーオーストラリア代表のマイケル・チェイカ(Michael Cheika)ヘッドコーチ(HC)が28日、イングランド代表のエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)HCは、これまで築き上げてきた自身のレガシーを傷つけていると語った。

 チェイカHCは、6月に行われた豪遠征でジョーンズHCが、イングランド代表を精神的に優位に立たせようとしたのはやり過ぎだったという。このテストマッチでイングランドは、ワラビーズ(Wallabies、オーストラリア代表の愛称)に3戦全勝を飾っている。

 また、2003年のラグビーW杯(Rugby World Cup 2003)ではオーストラリア代表指揮官を務め、チームを決勝まで導いた実績を持つジョーンズHCは、豪メディアを敬意に欠けていると非難しているが、同国の強豪ランドウィック(Randwick)で現役時代に同じ時間を過ごしたチェイカHCは、かつての同僚こそ自身のふるまいを見直すべきだと主張する。

 来月3日に英ロンドン(London)郊外のトゥイッケナム・スタジアム(Twickenham Stadium)で行われるイングランド対オーストラリアのテストマッチを控え、チェイカHCは記者会見で、「彼は母国のオーストラリアに対し、これまでも辛辣(しんらつ)な言葉をたくさん浴びせてきた。オーストラリアは、かつて彼が指揮官を執り、コーチや選手として成長する機会を与えてくれた場所だ。個人的には、どこかにレガシーを残したいと思うなら、去ってからその国を攻撃するようなことはしたくない」と語った。

 一方のジョーンズHCもすでに、26日にダブリン(Dublin)で行われたテストマッチで、オーストラリアが24-27でアイルランドに敗れた後、ワラビーズのスクラムを懸念して審判のヤコ・ペイパー(Jaco Peyper)氏との面会を要求するなど先制攻撃を仕掛けている。

 現役時代にはアイルランドのレンスター(Leinster Rugby)でプレーしていた経験を持つチェイカHCは、元日本代表指揮官としても知られるジョーンズHCの言動を笑い飛ばしながらも、その心理戦が度を越したものであると主張した。

「26日の試合の後、何が起きているのか100パーセントは把握していないが、彼は必ず何か仕掛けてくる。6月のときは、元オーストラリア代表のジョーンズHCがどうするのか様子を見る機会を与えた。あれは、古巣のチームに得点を入れる選手のようなものだろう?」

「かつてプレーし、指揮を執っていたチームとの試合に臨むのは、常に困難なことだと思うし、どうすれば良いか分からなくなるものだ。おとなしく引っ込んでいるか、試合に出て相手につかみ掛かっていくかって? 私は以前選手だけでなく指揮官としても経験があるアイルランドのような国が相手でも、どうすればいいか分かっている」

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