【11月27日 AFP】米フロリダ(Florida)州マイアミ(Miami)で26日早朝、キューバ系米国人が通りにあふれ、彼らの大敵、キューバのフィデル・カストロ(Fidel Castro)前国家評議会議長の死を祝い「キューバ解放!」、「自由! 自由!」と声を上げた。

 カストロ前議長は25日夜に死去し、日付が変わった直後に弟のラウル・カストロ(Raul Castro)国家評議会議長がキューバの国営テレビでその事実を伝えていた。

 米国で最も多くのキューバ系米国人が暮らすマイアミで、カストロ前議長死去の報は瞬く間に熱気と共に拡散した。

 キューバ共産党の一党独裁体制から逃れてきた大勢の亡命者が、激しい高揚感を共有しながら車のクラクションを鳴らし、鍋やドラムをたたき、踊り、泣き、キューバ国旗を振った。

 20年前にキューバから逃れてきた教師のパブロ・アレンシビア(Pablo Arencibia)さん(67)は、「人が人の死に喜びを見出すのは悲しいことだ――しかしあの人(カストロ前議長)は生まれてくるべきではなかった」と述べた。

 アレンシビアさんはパーティーさながらの騒々しさの中、「今度はサタンが心配しなければならない。フィデルはそこ(地獄)に向かっているんだ。じきにサタンの地位を奪おうとするだろうから」とジョークを飛ばした。

 歴史的な瞬間だと認識している若者たちは、この「パーティー」の様子をフェイスブック(Facebook)のライブ動画配信「フェイスブックライブ(Facebook Live)」でストリーミング配信し、インスタグラム(Instagram)に写真を投稿し、テレビ会議機能「フェイスタイム(FaceTime)」やインターネット電話スカイプ(Skype)を通じてキューバの友人や親族に映像を送った。

 キューバから逃れてきた人たちが多く住むマイアミのリトル・ハバナ(Little Havana)地区やハイアリア(Hialeah)地区では、人々が踊り、抱き合い、「長い時間がかかった」、「いま寂しがっているのはラウル(・カストロ現議長)だけだ」といった言葉を交わす光景が見られた。

 米国にはキューバ人約200万人が暮らしており、その70%近くがフロリダ州に居住している。(c)AFP/Leila MACOR