【11月24日 AFP】来年春のフランス大統領選挙に向けた右派陣営の第1回投票で首位となったフランソワ・フィヨン(Francois Fillon)元首相の選挙パンフレットに、ドイツが東西に分断された地図が使われていたことが分かり、ドイツ国内でちょっとした話題を呼んでいる。

 ドイツは26年前の1990年11月10日に統一された。ところが、フィヨン陣営が発行した大統領選マニフェストの59ページ目に掲載された欧州の地図には、西ドイツと東ドイツを分ける国境が記されていた。

 ドイツのメディア各社は23日、首相経験者のフィヨン氏のこの失態を面白おかしく報じた。

 ニュース専門テレビ局N24は「何かがおかしい」という見出しでからかい、保守系日刊紙ウェルト(Die Welt)は「恥ずかしい誤り」と指摘。また、ノイエ・プレッセ(Neue Presse)は「フィロン氏の政策綱領には、いまだ東ドイツが存在する」と伝え、冷戦時代が戻って来たとやゆした。

 ソーシャルメディア上でも、ロシアとの関係改善を掲げるフィヨン氏を皮肉って「プーチンが喜ぶね」という書き込みが見られた。フィヨン氏はロシアとより親密な関係を築くべきだと呼び掛け、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領への支持も公言している。ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領は23日、テレビを通じて、仏大統領選の右派最有力候補となったフィヨン氏を「偉大なプロフェッショナル」とたたえている。

 仏右派陣営は今週末、フィヨン氏と中道派のアラン・ジュペ(Alain Juppe)氏との決選投票を行う。予備選の勝者は、来年5月の大統領選の決選投票で極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首と対決するとみられている。(c)AFP