【11月23日 AFP】米国の白人国家主義団体が、先週末に開いた会合で、大統領選でのドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の勝利を熱烈なナチス・ドイツ(Nazi)式敬礼で祝っていたことが分かり、物議を醸している。立場表明を求める圧力を受けたトランプ氏は22日、同団体を「非難する」と明言した。

 問題の団体は、19日にホワイトハウス(White House)にほど近い場所で会合を開いた「国家政策研究所(NPI)」。会合の日程は、今月8日の大統領選の結果が出る前から決まっていた。

 NPIは「米国および世界中の欧州系の人々の伝統やアイデンティティー、そして未来」のために設立された組織を自称し、「オルト・ライト」(代替右派、オルタナ右翼)と呼ばれる極右運動の一端を担っている。

 会合では、企画運営者の一人のリチャード・スペンサー(Richard Spencer)氏が演説し、その締めくくりとして、ドイツ語の「ハイル(heil、万歳)」に相当する英単語の「ヘイル(hail)」を用い「トランプ万歳! 仲間万歳! 勝利万歳!」と叫んだ。

 すると参加者からは拍手喝采が巻き起こり、一部はナチス式敬礼で応じた。アトランティック(The Atlantic)誌(電子版)は、その様子を収めた動画の抜粋を掲載している。

 この問題を受け、同団体を糾弾するよう圧力をかけられていたトランプ氏は22日、ニューヨーク・タイムズ(New York Times)紙のインタビューで「私は彼らを関知しないし、非難する。同団体を活気づけたくはない」と言明した。(c)AFP