【11月22日 AFP】南アフリカ北西部リンポポ(Limpopo)州にある教会で先週末、預言者を自称する牧師が「罪を浄化する」として信徒の顔に殺虫剤を吹きかけ、その写真がたちまちソーシャルメディアで拡散する騒ぎになった。牧師は「神をたたえる行為」などと主張している。

 この牧師はレスボ・ラバラゴ(Lethebo Rabalago)氏(24)。マウント・ザイオン・ジェネラル・アセンブリー(MZGA)教会に集まった信徒たちに、地元の家庭用殺虫剤ブランド「ドゥーム(Doom)」の「スーパー多用途殺虫剤(Doom Super Multi Insect Killer)」を吹きかけた。

 MZGAが提供した写真には、女性数人が目を必死に閉じた状態でラバラゴ氏から顔にスプレーを吹きかけられる様子が写っている。

「傷を負って来た人たちにスプレーをかけてやると、彼らは癒されたんだ」。ラバラゴ氏はニュースサイト「タイムズ・ライブ(Times Live)」にそう語っている。「誰かに何かを吹き込まれたわけじゃない。私は神を信じているだけ」とも。

 この一件で「ドゥームの預言者」というあだ名がついたラバラゴ氏は、信徒たちに殺虫剤を吹きかける行為によって「神をたたえている」と主張。「地上にあるものは全て神のもの。ガソリンも神のもの。ドゥーム(doomには「最後の審判」の意味もある)も神のものだ」と述べている。

 ドゥームの製造元のブランド・タイガーズ(Brand Tigers)は「極めて憂慮すべき」問題だとして、同氏に殺虫剤を使用した儀式を中止するよう求めている。また被害に遭った人には顔や手をよく洗い、スプレーを吸い込まず、病院で診療を受けるよう助言している。

 ラバラゴ氏は、この儀式で負傷した人はいないとする一方、教会に参加している信徒の数や「治癒された」人の数については明かしていない。(c)AFP