米NY公園にかぎ十字章や「Go Trump」落書き、市民数百人が抗議
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【11月21日 AFP】米ニューヨーク(New York)市ブルックリン(Brooklyn)地区の公園でナチス・ドイツ(Nazi)のかぎ十字章の落書きが複数発見され、市民ら約300人が20日、米大統領選のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の勝利に感化されたヘイトクライム(憎悪犯罪)だとして抗議デモを行った。デモには、米ヒップホップ・グループ、ビースティ・ボーイズ(Beastie Boys)のメンバー、アダム・ホロヴィッツ(Adam Horovitz)さんらが参加した。
落書きが発見されたのは、ビースティ・ボーイズのメンバーで2012年にがんのために死去したアダム・ヤウク(Adam Yauch)さんの名が付けられた公園。人権擁護活動も行っていたヤウクさんは、幼少時代にこの公園で遊んでいた。ヤウクさん死去後、グループは解散した。
落書きは、何者かが18日朝までにスプレーペンキを使って書いたとみられ、幼児用の遊び場に置かれた遊具の電車には、かぎ十字章や「Go Trump(トランプ氏を応援するメッセージ)」などの言葉が複数描かれていた。
市の職員らは、すぐに落書きをペンキで上塗りした。その後、20日までに、花やハート、愛のメッセージの他、仏教徒だったヤウクさんにちなみチベットの国旗などが一面に描かれた。
グラミー賞受賞者でもあるビースティ・ボーイズは、1980年代に結成。元メンバーのホロヴィッツさんとマイケル・ダイアモンド(Michael Diamond)さんは19日、「憎しみは、ブルックリンにも、ニューヨーク市にも、アメリカにも居場所はない。僕らと一緒に憎しみのメッセージに対抗しよう」とツイッター(Twitter)で20日のデモへの参加を呼び掛けた。
集会には、ニューヨーク州上院議員である民主党のダニエル・スクアドロン(Daniel Squadron)氏といった複数の公人も参加した。
ヘイトクライムや人種差別的な表現は容赦しないと語ってきた民主党のアンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)ニューヨーク州知事と同ビル・デブラシオ(Bill de Blasio)ニューヨーク市長は、イスラム教徒やユダヤ人、移民、性的マイノリティーなど標的となった人々を保護するため複数の施策を発表している。
クオモ氏は20日、こうした犯罪行為を取り締まる州警察特殊部隊の設置計画について明らかにした。(c)AFP