【11月19日 AFP】ラグビー元ニュージーランド代表の伝説ジョナ・ロムー(Jonah Lomu)氏の一周忌を迎えた18日、オールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)の主将キアラン・リード(Kieran Read)は、翌日に行われるアイルランド戦に向けて、別のモチベーションが加わることになるだろうと語った。

 2009年の南アフリカ戦で敗れたリッチー・マッコウ(Richie McCaw)氏以来となる、同一国との対戦で連敗を喫した主将という屈辱を避けたいリードは、ロムー氏に刺激されてラグビーを始め、代表通算95キャップと2度のW杯(Rugby World Cup)制覇を果たすことにもつながったと話した。

 テストマッチ通算63試合で計37トライを記録しているものの、W杯でトロフィーを掲げたことは一度もないロムー氏は、腎臓疾患のため40歳の若さで亡くなった。その数週間前には、W杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)決勝でニュージーランドが宿敵オーストラリアを下したのを見届けたばかりだった。

 リードはアイルランド戦を翌日に控えた記者会見で、「私にとって彼は大きな刺激であり、ラグビーを始めたきっかけとなった。彼が最初にプレーしていた地域で育った私は、カウンティーズ・マヌカウ(Counties Manukau)に所属していた彼を毎週のように見に行ったものだ」と明かした。

「ピッチ上での彼はレジェンド以上の存在だが、私の心に残っているのは彼の笑顔とオフでの姿だ。きょうは彼のご家族に心から同情する。土曜日(19日)の試合は、彼の思い出が別のモチベーションになるだろう。先週末には母国で大きな地震があって、そのことにも選手たちは思いをはせている」

 2013年には年間最優秀選手に選出されたリードは、アイルランド戦がニュージーランドにとって今年最難関のテストマッチになると認めている。2週間前に米シカゴ(Chicago)で行われた試合で、それまでテストマッチ18連勝を記録していたニュージーランドは、111年前から数えて通算29回目のアイルランド戦でまさかの番狂わせをくらった。

「今年最もタフなテストマッチになるだろう。先日の敗戦で試合の重要性を痛感した。負けたことによって、テストマッチの重要性を大局的にみるようになった」と話す31歳のリードは、昨年のW杯で有終の美を飾ったマッコウに代わり主将を務めており、「個人的にも最も厳しいものになるだろうが、自分にとって初めての経験をしたことで、違う考え方ができるようになっている」と語った。

 リードはまた、チームの立て直しにも自信をみせており、一度負けたからと言って弱気にはなっていないと強調すると、「連続記録は途切れるものだ。その日の精神状態が良くなかったり、体力的に不十分だったりすることはある。しかし、このチームは若くて準備も入念に行っている。練習に取り組んでいる彼らの姿勢には満足している」と語った。(c)AFP/Pirate IRWIN