【11月15日 AFP】ドイツの警察当局は15日朝、憎悪を扇動した疑いがもたれるイスラム組織「真の宗教(Die wahre Religion)」に対し、10州200か所で一斉に家宅捜索を行った。

 内務省によると、トマス・デメジエール(Thomas de Maiziere)内相は同組織を非合法組織に指定した。捜索の容疑は憎悪扇動で、シリアへの渡航歴がある人物の多くがこの組織と接触したことがあるという。

 西部ヘッセン(Hesse)州のペーター・ボイト(Peter Beuth)州内相は「イスラム過激派周辺に対するメッセージは明確だ。若者たちを過激化させ戦闘へ送ろうとする狂信者らをわれわれは容認しない。この組織を禁止することで、ドイツ全土における過激化の大きな源が絶たれる。ヘイトメッセージを広める者たちは、宗教の自由の陰に隠れることはできない。内務省は非合法化によって今日、それを明示した」と述べた。

 同組織はイスラム教の聖典コーラン(Koran)のドイツ語訳を配布するプログラムでも物議を醸している。だが専門家らはこのドイツ語版について、アラビア語からの非常に厳密な訳だと評している。(c)AFP