【11月15日 AFP】ウクライナで14日、1986年に起きたチェルノブイリ(Chernobyl)原発事故の放射性廃棄物を封じ込めるため、原発施設を新たな巨大シェルターで覆う作業が始まった。今後何世代もの人たちの安全を守る目的がある。

 このプロジェクトの主要出資者である欧州復興開発銀行(EBRD)は11月29日までに設置を完了させる計画。総費用は15億ユーロ(約1700億円)だという。

 旧ソ連(現在のウクライナ)で発生したチェルノブイリ原発事故では、事故直後に少なくとも30人が死亡した。

 オスタプ・セメラク(Ostap Semerak)環境相は「チェルノブイリ原発4号機を大きなアーチ型構造物で覆う作業が開始されたことで、1986年に発生したこの事故以降30年にわたっている闘いの終わりが始まった」と述べた。

 同原発4号機は現在のところコンクリート製のドームで保護されているが、このドームは旧ソ連の救援隊が急きょつくったものであるため放射性物質が漏れる恐れがある。

 EBRDは大きな巨大シェルターの建設と設置は「工学史上、最も野心的なプロジェクトの一つ」だとしている。(c)AFP