米フロリダ州の殺人、「正当防衛法」制定後に著しく増加 研究
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■銃器が関連する殺人が31%増
研究チームは、2005~14年の期間に発生した銃器が関連する殺人事件が、前回のサンプリング期間の1999~2004年と比べて31%増加していたことを発見した。フロリダ州で起きた殺人全般については2005年以降の10年間で24%増加したことも今回の研究で明らかになった。
研究チームが比較のために、同時期にまだ正当防衛法を制定していなかった米ニューヨーク(New York)、ニュージャージー(New Jersey)、オハイオ(Ohio)、バージニア(Virginia)の4州の殺人発生率を調査した結果、これらのどの州でも殺人発生率が増加していないことが分かった。
また、フロリダ州の自殺率には変化がみられなかった。これは、2007~09年の世界金融危機などの出来事が同州の殺人増加の主な要因ではないことを示唆している。
論文の共同執筆者で米ペンシルベニア大学(University of Pennsylvania)のダグラス・ウィーブ(Douglas Wiebe)氏は、今回の研究結果は、本来なら死なずに済んだはずの人がフロリダ州法が変更されたがために命を落とした例があることの有力な証拠になっていると指摘した。
「今回の研究結果が意味するところについて考える必要がある。そしてフロリダ州は致死力のある武器の使用を増加させたと考えられるこの決定を覆すことを検討すべきだ」
一方、同じJAMAインターナル・メディシン特別号には、全国規模でみると法律による銃規制が厳しいほど銃器を使用した殺人が少ない傾向があることを示した別の論文も掲載された。(c)AFP/Kerry SHERIDAN