■ニカブからの解放

 カフィーヤと呼ばれるアラブの黒と白のヘッドスカーフをまとい、軍服の左肩にYPJの黄色いバッジを着けているロジダ・フェラト(Rojda Felat)司令官(38)は、トランシーバー2台を使って戦場に出ている部隊に指示を出していた。フェラト司令官は、YPJには明確な使命があると話す。「私たちは母親や姉妹の安全を守るために戦っている。私たちの勝利が歴史を塗り替えている」

 トルコ国境沿いの要衝ラス・アルアイン(Ras al-Ain)出身のシリーンさん(25)も「YPJのクルド人女性兵士として、あの(IS)戦闘員らを打倒する作戦に参加することができてとても光栄に思う」と話した。「やつらは私たちの声におびえる。女性に殺されるのを怖がっている。やつらにとって、女性は男性の奴隷となるべき存在だから」と自分たちの部隊が与える恐怖を誇り、敵のさまをあざ笑った。

「ニカブ(顔を覆うベール)を着用させられている女性を見ると腹が立って仕方がない。逆に、それを取り去るのを目にするととてもうれしく感じる」というシリーンさん。ニカブを脱ぐことはISの支配からの解放を意味するからだ。そう語ったシリーンさんのスカーフには、カラフルな花々が刺しゅうされていた。(c)AFP/Delil Souleiman