【11月11日 AFP】米ニューヨーク(New York)の地下鉄駅で、大統領選のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏勝利にショックを受けた市民たちが、自分の思いを書き込んだ付箋を駅構内の壁に貼りつけるという方法で怒りや不満を発散させている。

 ユニオンスクエア(Union Square)駅構内のタイル張りの壁には、「怖がっているのは私だけ?」「誰か抱きしめて!」「私、怒ってます」などのメッセージが記された色とりどりの小さな四角形の紙がびっしり並ぶ。

 仕掛け人はニューヨーク在住のアーティスト、マシュー・チャベス(Matthew Chavez)さん。トランプ氏の勝利が確定した9日の午後、「地下鉄セラピー」の看板とテーブルをユニオンスクエア駅構内に出した。そのわずか24時間後の10日昼過ぎには、壁に貼られた付箋の数は3000枚に達した。

 チャベスさんが付箋を使ったこの無料グループセラピーを思いついたのは、今年初めのことだ。ストレスまみれのニューヨーカーたちのうっぷんを小さな紙片を使って晴らしてもらおうと、折に触れて地下鉄構内にテーブルを出してきた。

「今はみな、顔を合わせて話すには熱くなり過ぎている」とチャベスさん。「でも、必ずしも誰かと直接会話しなくてもいいんだ。ただ、自分の気持ちや考えを表に出すだけで、少しは気分が良くなると思う。そうやって一日を乗り切ってくれたらいい」と語った。(c)AFP