■「バーサー・ムーブメント」

 2011年に、オバマ氏の出生地に関する疑惑が浮上し、大統領となる資格の有無が取りざたされた際には、トランプ氏は数か月にわたってこのいわゆる「バーサー・ムーブメント(Birther Movement)」を扇動した。オバマ氏は「ばかげている」と怒りをあらわにし、記者会見を開いてハワイ(Hawaii)生まれであることを示す出生証明書を公表した。

 この数日後、トランプ氏も出席したホワイトハウス記者会主催の夕食会(White House Correspondents' Association Dinner)でオバマ氏は、「出生証明書問題が決着して、ドナルド以上に喜び、満足している人はいないだろう」、「これでようやく他の大切な問題に集中できるだろうからね。『月面着陸は作り話ではないか?』というような」と語っていた。

 そして5年が経過した今年、オバマ氏がホワイトハウスを明け渡す相手が、ほかでもないトランプ氏に決まった。(c)AFP/Jerome CARTILLIER