【11月10日 AFP】米誌ナショナル・ジオグラフィック(National Geographic)の表紙を飾った有名な写真「アフガンの少女(Afghan Girl)」の被写体となったシャーバート・グーラー(Sharbat Gula)さん(45)が9日未明、パキスタン当局によりパキスタンからアフガニスタンへと送還された。グーラーさんは、不正な身分証明書を使用していたとして一時的に身柄を拘束されていた。

 当局者によると、グーラーさんはC型肝炎の治療を受けていた病院から、夜間に国境へと連行された。国境沿いの町トルカム(Torkham)の当局者エスマトゥッラー・ワジル(Asmatullah Wazir)氏はAFPの取材に対し、「シャーバート・グーラーをアフガニスタンに退去させ、午前2時30ごろに国境を越えた。彼女は4人の子どもに付き添われている」と述べた。

 また別の当局者は、匿名を条件に取材に応じ、グーラーさんにはアフガニスタン大使館職員が付き添っていると語った。

 1980年代にパキスタンの難民キャンプで撮影された当時12歳のシャーバート・グーラーさんの写真は、その印象的な緑色の瞳などから、ナショナル・ジオグラフィック誌で最も有名な表紙写真となった。

 グーラーさんは先週、AFPの取材に対し、アフガニスタンへ送還される見込みであることについて「悲しみに打ちひしがれている」と語っていた。

 グーラーさんによると、グーラーさんは1979年のソ連によるアフガニスタン侵攻から4、5年後、孤児としてパキスタンに到着した。これまでに数百万人規模のアフガニスタン人が難民としてパキスタンへ逃れている。(c)AFP