【11月9日 AFP】日露首脳は9日、米大統領選でのドナルド・トランプ(Donald Trump)氏勝利を受けて、それぞれトランプ氏に祝辞を送った。

■安倍首相「日米は揺るぎない同盟国」

 安倍晋三(Shinzo Abe)首相は、トランプ氏に祝意を伝えるとともに、祝辞の中で「世界経済の原動力であるアジア太平洋地域の安定は、米国に平和と繁栄をもたらす」「日米両国は、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値の絆で固く結ばれた、揺るぎない同盟国」と述べ、親密な日米関係の維持を呼び掛けた。

 米大統領選の選挙期間中、トランプ氏は環太平洋連携協定(TPP)に反対の意志を表明したほか、日米安保条約についても日本の負担増を要求。さらには北朝鮮の脅威への対抗手段として日本の核武装を示唆するなどしたことから、日本ではトランプ氏に対する懸念や批判が高まっていた。

■トランプ氏勝利、露議会は拍手喝采

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領も同日、大統領府を通じてトランプ氏の勝利を祝福する声明を発表した。ロシアの体制側から反ロシアと目されていたヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官が敗北し、トランプ氏が勝利したとの知らせに、ロシア議会は拍手に包まれた。

 トランプ氏の勝利を祝う声明文の中で、プーチン大統領は「米露関係を危機的状況から脱却させるための相互協力や、未解決の国際的な課題への取り組みに期待を表明する」と述べて、米露関係の改善に向けてともに取り組むことへの期待を表明した。

 プーチン大統領は、すでに米大統領の選挙期間中から暗黙裏にトランプ氏支持を示唆していた。トランプ氏側も何度もプーチン大統領を称賛し、プーチン大統領と協力関係を築くことが楽しみだなどと語っている。(c)AFP