【11月8日 AFP】ドイツ北東部ノイルッピン(Neuruppin)の裁判所は7日、ナチス・ドイツ(Nazi)のスローガンや強制収容所の絵柄のタトゥー(入れ墨)をプールで見せ、憎悪をあおる民衆扇動罪に問われた極右政党「ドイツ国家民主党(NPD)」の地方政治家マルセル・ツェッヒ(Marcel Zech)被告の控訴審で、被告に禁錮8月の判決を言い渡した。一審より重い量刑となり、裁判官は「軽い判決では極右にひるんでいるととられかねない」と言及した。

 地方議員を務める被告は昨年11月、東部ブランデンブルク(Brandenburg)州オラニエンブルク(Oranienburg)にある公営プールを訪れてシャツを脱いだ際に、背中のタトゥーを写真に撮られた。

 昨年12月の一審では執行猶予付き禁錮6月の判決が出ていたが、検察側は刑が軽過ぎるとして控訴していた。

 ドイツのDPA通信によると、控訴審の裁判官イェルン・カルボー(Joern Kalbow)氏は今回の量刑について「これよりも軽い判決では『極右の過激主義にひるんでいる』と解釈される恐れがあった」と説明した。

 被告のタトゥーでは、ナチスが設置したブーヘンバルト(Buchenwald)強制収容所の正門に掲げられた「各人に各人のものを(Jedem das Seine)」というスローガンや、占領下のポーランドにあったアウシュビッツ(Auschwitz)強制収容所の外観の絵柄が彫られている。(c)AFP