【11月7日 AFP】米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏が国務長官時代に公務で私用メールを使った問題で、連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー(James Comey)長官は6日、新たなメールを調べた結果、クリントン氏による不正行為は見つからなかったとして、同氏を訴追しないよう勧告した7月の結論は変わらないと議会に明らかにした。クリントン氏陣営はこの動きを歓迎した。

 クリントン氏に対するFBIの捜査は7月にいったん終結していたが、コミー長官は先月末、新たなメールが見つかったとして捜査を再開すると突然発表。大統領選が間近に迫った時期だけに波紋を広げていた。

 コミー長官は連邦議員の間で回覧された書簡で、捜査の再開後「FBIの捜査チームは24時間体制で作業をした」と説明。「この過程で国務長官在任時にクリントン氏が受信・発信した通信内容全てを調査した。それに基づき、クリントン氏に関して7月に示した結論を変更しなかった」と述べた。

 大統領選の投票日を2日後に控える中での今回の決定に、クリントン氏陣営の間では安堵(あんど)が広がっている。陣営の広報責任者ジェニファー・パルミエリ(Jennifer Palmieri)氏はクリントン氏の遊説の同行記者団に対し、「われわれが確信していた通り、コミー長官が7月の結論を改めて認めたと知って喜んでいる。問題が解決してうれしい」と語った。

 一方、この問題をめぐり選挙戦最終盤でクリントン氏への攻撃を繰り返してきた共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は、現時点では反応していない。(c)AFP