【11月6日 AFP】エジプトの首都カイロ(Cairo)で米大統領選に対する反応は、内向きから来る無関心か、民主党候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官と共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の一方あるいは両方に対する嫌悪感のいずれかだ。

 中所得者層の居住区であるドッキ(Dokki)の理容店にいた2人のスタッフにどちらの候補者が良いと思うかと質問すると、2人は困惑した様子で顔を見合わせ、米大統領選の候補者が誰か知らないことを認めた。

 モナ(Mona)と名乗った女性スタッフはエジプト経済の危機的状況に言及しながら「ここ(国内)で何が起きているか追うので精一杯よ」と笑った。男性スタッフは米大統領選について「ほとんど知らない」と話した上で、「トランプがイスラム教徒に敵対的なことは知っている」と言った。

 中東諸国は現職のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領が勝利した際の米大統領選を注視していた。それから8年後の現在、人々は中東の騒乱や経済の混乱、内戦が要因で内向きになっている。

 リビア系米国人のライターでカタール在住のヘンド・アムリー(Hend Amry)氏は、「アラブ世界は自らの存続に関わる危機に気を取られていて、次に実施される米大統領選が自分たちの生活にどのような影響を及ぼすか、あまり考えたことがないのだと思う」と指摘した。

 カイロ動物園の近くにいた3人の大学生は米大統領選のことはあまり追っていないと話した。独断的な雰囲気を漂わせていた高齢男性はクリントン氏とトランプ氏の両方を批判し、「あいつらの選挙はくそみたいなもんだ。連中はくそが辞めた後を別のくそで置き替えるんだ」と話して、一緒にいた幼児を連れて大股で歩き去った。