【11月2日 AFP】独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が2日、世界ラリー選手権(WRC)から撤退することを発表した。セバスチャン・オジェ(Sebastien Ogier、フランス)を擁し、WRC4連覇を達成したフォルクスワーゲンの撤退は、モータースポーツ界に衝撃を生んでいる。

 排ガス不正問題で揺れているフォルクスワーゲンは、傘下の高級車部門アウディ(Audi)も「フォーミュラE(Formula E)」に注力するとして、ルマン24時間耐久レース(Le Mans 24 Hour Race)が含まれるFIA世界耐久選手権(FIA World Endurance ChampionshipWEC)から撤退することを先週発表したばかりだった。

 今回の激震は、今季のタイトルを獲得したばかりのオジェとヤリマティ・ラトバラ(Jari-Matti Latvala、フィンランド)、アンドレアス・ミケルセン(Andreas Mikkelsen、ノルウェー)がポジションを失うことを意味する。

 オジェは同日、ツイッター(Twitter)上で「素晴らしいチームを残念に思う。私たちは輝かしい4年間を過ごした! 情熱とサポートをありがとう! 私のことは心配しないで。また会いましょう」とつづっている。

 2013年にWRC参戦を果たしたフォルクスワーゲンは、マニュファクチャラーズタイトルで4連覇を果たしていた。

 オジェが以前所属したシトロエン(Citroen)やヒュンダイ(Hyundai)はすでに来季のドライバーを発表しているため、トヨタ・ガズーレーシング(Toyota Gazoo Racing)やフォード(Ford)が同選手の選択肢として残っている。

 同社モータースポーツ部門のディレクターは、「全社が大きな困難に直面する中、われわれのビジョンはかたく将来を見据えている」としたうえで、「今後は、モータースポーツに近くやってくるテクノロジーとカスタマースポーツ領域に集中する」と語った。(c)AFP