【11月2日 AFP】イラク軍は1日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が掌握しているモスル(Mosul)市内に進攻した。

 イラク内最後の主要IS拠点であるモスル奪還に向け、2週間余り前に大規模な作戦を開始したイラク軍は、チグリス川(Tigris River)に分断された同市の東側に同軍部隊が入ったと発表。

 同作戦では、米主導の有志連合による空と地上からの支援を受け、イラク軍側の部隊数万人がモスルへと攻勢を仕掛けている。

 先月17日の作戦開始以降、イラク軍とクルド人治安部隊ペシュメルガ(Peshmerga)はモスル市内を目指して南北東の3方向から進撃し、これまで複数の村の奪還に成功した。市内とその周辺にとどまっている過激派は約4000~7000人とみられている。

 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は1日、ISが周辺地域から数千人単位の一般市民をモスル市内へ強制連行しているという情報が相次いでいると発表。ISはモスル市内とその周辺に約2万5000人の市民を集めているとみられ、こうした市民らは人間の盾にされている恐れがあるという。

 国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」も同日、子ども約60万人を含む150万人の市民がモスル市内に依然として閉じ込められているとして、安全な避難路の確保を訴えた。(c)AFP