【10月30日 AFP】 韓国の朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)大統領が政府の機密情報を民間人の友人女性に渡していたとされる疑惑をめぐり、検察当局は29日、大統領府高官らの自宅の強制捜査に踏み切った。またソウル(Seoul)中心部では大統領の退陣を求めて数千人が抗議集会を行い、朴大統領を取り巻く状況は厳しくなっている。

 韓国・聯合ニュース(Yonhap News)によると検察は29日朝、首席秘書官と2人の秘書官、文化体育観光省高官のそれぞれの自宅からコンピューターや資料を押収した。

 朴大統領の任期は2018年2月までだが、公職に就いていない友人に国政介入をさせていた疑惑が明るみに出たことで、政権は突如、窮地に立たされている。

 この友人女性、崔順実(チェ・スンシル、Choi Soon-Sil)氏(60)は朴大統領が恩師と仰いだ宗教家の娘で、この1週間ほどは崔氏に対するメディアの報道も過熱している。宗教団体のセンセーショナルな裏話やシャーマニズム的な儀式、腐敗などを引き合いに出し、朴大統領に演説や重要な人事、政策についてアドバイスをしたとされる崔氏をラスプーチン(Rasputin)になぞらえる報道もある。

 強制捜査が行われて数時間後には、ソウル中心部の通りでろうそくを手に数千人が抗議集会に参加。崔氏をペテン師と非難し、朴大統領の退陣を要求した。(c)AFP/Park Chan-Kyong