【10月29日 AFP】ブラジルで過去4年間に殺害された犠牲者数は、シリア内戦の犠牲者数を上回るとする調査結果が28日、発表された。

 ブラジルは近年、暴力犯罪の増加に悩まされているが、景気の低迷と警察関連予算削減のために状況はさらに悪化している。

「ブラジル治安フォーラム(FBSP)」の発表によると、2011~15年の4年間にブラジルでは28万人近くが殺害された。

 一方、在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によれば、同期間にシリア内戦で殺害された人々の数は25万6124人だった。

 ブラジルではまた、昨年1年間で5万8000人が殺害されており、10万人に28.6人が犠牲となった計算になる。特に殺人発生率が高いのは、ブラジル北東部の貧困州、セルジペ(Sergipe)州、アラゴアス(Alagoas)州、リオグランデドノルテ(Rio Grande de Norte)州だった。中でもセルジペ州は10万人あたり57人が殺害されたという高い割合だった。

 ただし、ブラジル全体の殺人発生率は、2014年からは下がっている。

 同フォーラムの報告はさらに、警察による残虐な暴力が横行していることを指摘し、1日平均9人が警察によって殺害されていると述べた。昨年1年間で警察に殺害された人数は3345人となっている。一方、昨年、殺害された警察官は393人で、うち3分の1が職務中に命を落としている。(c)AFP